NEXT ダブリンのタクシー     

 i センタ−は、空港ビルの中央出入り口にある。楕円型の受付デスクの内側で3人の女性が客の応対をしている。それほど待つことなく中央の受け付けが空いた。カウウンタ−の前に立つと、栗色の髪でぽちゃっとした若い女性の笑顔があった。彼女に「25ポンド〜30ポンドのB&Bをお願いします」と言うと、目を「クリッ」とさせ私の顔を見た。眉毛の動作が豊かで「外人」特有のポーズだ。「わかりました」と言って目の前のパソコンのキ−ボ−ドをたたき始めた。目的のB&Bが検索された。そして、パソコンの印刷機から打ち出されたばかりの二枚綴りの書類 「予約証」を持ってきた。彼女は書類を僕の方を向け「紹介手数料とB&B料金の1割の前払い」が必ですと丁寧に説明してくれた。

 彼女は、僕が、「この国に、初めて来た者」だと直感したようだ。親切にも「B&Bには前払1割のお金を差し引いた額を支払えばOKです」と説明を付け加えた。さらに「その支払い額」を示した所に、わざわざ赤いボ−ルペンでマ−キングをしてくれた。そして「お受け取りください」とにっこり笑って手渡してくれた。最近の日本では、このような笑顔の若い女性受付係りにはお目にかかれない。彼女からタクシ−事情を聞いて乗り場に向かった。2時30分、正面出口から空港ビルを出た。外は太陽さんさんと輝いている。天気はすっかり回復したようだ。暑くも寒くもない秋のいい季節である。出口の直ぐ右側にタクシ−乗り場がある。すでに数人が順番を待っていた。 少し離れたところにバス停が見えている。そこは客はなくひっそりとしている。目の前は広い2車線の道路、交通量は極めて少ない。これがヨーロッパの一国の首都空港のメイン道路とはとても思えない。

                  BACK